個人が参加できる外国為替取引としては、「外貨預金」「外貨建てMMF」などと呼ばれるものが一般的でしたが、最近急速に広がりをみせている「外国為替証拠金(保証金)取引」というものもあります。
ここではそれぞれの内容について、みていきましょう。
日本円を外貨に交換して預け入れる預金のことで、円の預金と同じように普通預金や定期預金があります。外貨預金における金利はその外貨の属する国のものが 適用されます。したがって、現在のように超低金利が続く日本よりは高い金利を得ることが可能な場合もあります。また、為替相場の変動による為替差損益が発 生するため、金利以上の利益を得る場合もありますが、逆に損失を被る場合もあります。
銀行などの金融機関が顧客に外貨を売るときの相場を「TTS(対顧客電信売相場)」、買うときの相場を「TTB(対顧客電信買相場)」といいます。
例えば、銀行が顧客に米ドルを売るときのTTSが111円、顧客が米ドルを日本円に換えるときのTTBが109円、その間の110円が銀行間の取引 レートで「仲値」といいます。つまり銀行は、このケースでは売り買い1円ずつ、合わせて2円の為替手数料を取って取引しています。
MMFとは、マネー・マーケット・ファンドのことで、(日本ではマネー・マネージメント・ファンド。意味は同じ)投資信託の一種です。投資信託とは、文字 通り「投資」を「信託」する(任せる)ということで、証券会社などの販売会社が多くの投資家から資金を集め、それを運用会社がいろいろな方法で運用して得 た収益を投資家に還元するというものです。外貨建ての場合、投資の対象が外国の金融商品になります。利回りは運用の実績によって変化します。
発行体が外国で資金調達するために発行する債券のことで、一般的に発行者が外国籍であるか、発行場所が外国であるか、購入や利払い、償還が外貨で行われるかの、いずれかに当てはまるものを外債と呼んでいます。
外国の発行体が日本国内で発行した外貨建て債券を「ショーグン・ボンド」、外国の発行体が日本国内で発行した円建ての債券を「サムライ・ボンド」と呼びます。
証拠金(保証金)取引とは、取引会社に取引総額の一部を担保として預けることにより、少ない資金で多くの額の取引が行える(レバレッジ効果)という仕組みです。外国為替証拠金(保証金)取引の場合は通常5~10%程度の証拠金(保証金)を預けることで、その10倍以上の取引が可能になります。
例えば、1ドル100円の時に10万ドル買うには通常1000万円の資金が必要になりますが、証拠金(保証金)としてその一部の100万円(金額は 一例)を預けていれば、「10万ドル買う」という注文ができます。もしその後相場が推移して、「1ドル110円で10万ドル売る」という注文が成立すると、(110円-100円)×10万ドル=100万円の利益を得ることになります。実際には手数料等が必要となりますが、100万円の資金で100万円の利益を得るというように資金効率の高い運用が可能になります。
詳しくは次の「実際の取引」をご覧ください。
それでは、当社で取扱う外国為替証拠金(保証金)取引の実際の取引についてみてみましょう。
まず、外国為替証拠金(保証金)取引とは、取引する通貨を実際に受渡しするのではなく、「買ったら売る」「売ったら買う」という注文をそれぞれ発注し、その二つの注文が成立したことで発生するその利益や損失の差額のみの受け渡しで取引を終える差金決済取引です。
取引を始めるために注文することを「建玉(たてぎょく)」 するといいます。逆に建玉(たてぎょく)の反対の売買注文(買った場合は売る、売った場合は買う)のことを「落玉(おちぎょく)」といいます。「買う」という新規注文(買建(かいたち))から始めることも、「売る」という新規注文(売建(うりたち))から始めることも可能ですが、取引を終わらせるには通貨 の受渡しを行う場合を除き「買建」した場合には「売落(うりおち)」、「売建」した場合には「買落(かいおち)」と反対売買をしなければなりません。
ここでは新規の売り注文(売建)から始めて、どのような場合に利益が得られるのか、また損失を被るのかを考えてみましょう。
例えばドル円の値段が1ドル=110円の時に「売り」たいと考えました。「期限までにドルを1枚分(取引単位)売ります」という約束をするだけなので、実際にドルを1枚分持っている必要はありません。ただし、そのままでは実際にドルを渡すことができないので、この「売る約束」を果たすために「買う約束」をしなければなりません。そこで、新規注文の反対の売買注文(仕切注文)を出すことで取引を終わらせることになります。
さて、ここからは相場が1)上がった場合と、2)下がった場合に分けて考えていきましょう。
110円の新規の売建注文が成立(約定)してから数日後、ドル円相場が115円へと推移したとします。ここで仕切注文を出してみるとどうなるか考えてみましょう。
新規の反対の売買が仕切注文ですから、この場合は「115円で買う」という注文になります。この注文が約定した場合、「110円で売った」ものを「115円で買い戻した」ことになるので、差し引き5円(1ドルあたり)の損失が発生します。
ただし、この5円というのはあくまでも1ドル分についてです。実際の損失額は5円×取引単位(取引単位が10万ドルの場合は50万円、1万ドルの場合は5万円)となります。「売り」から始めた注文の場合、相場が売り値より上昇している時に取引を終了する場合は損失が発生してしまうのです。相場が上がりそうだと予想した場合は「買い」から取引を始めると、予想どおりに動いた時に利益を得ることができます。
今度は逆に、相場が下がった場合です。「105円で買う」という仕切注文が約定したとすると、「110円で売った」ものを「105円で買い戻した」ことになるので、この場合は差し引き5円(1ドルあたり)の利益が発生します。
実際には5円×取引単位(取引単位が10万ドルの場合は50万円、1万ドルの場合は5万円)の利益が得られることになるのです。したがって、「売り」からの取引は、相場が下がると予想した時に始めることで、予想どおりに相場が動いた時に利益を得ることができます。
以上のように、証拠金(保証金)取引の場合は相場が下がった場合でも利益を得るチャンスがあります。相場が上がると思えば買建、下がると思えば売建することで両方の場合に対応した投資をすることが可能なのです。
※ 実際の取引では、手数料等が必要となります。
外貨取引では注文の方法がいくつかありますが、それを説明するためにまずは取引の手法から説明しましょう。
外国為替市場は、1日24時間世界中のどこかで開いており、売買されています。24時間常に市場の動きを見張っていて売買をすることは実際には困難です。そこで以下に紹介するような注文方法を用いて取引を行います。
通常の指値注文では、指定した値段かそれより有利な値段でのみ取引が成立します。つまり、買いの指値注文であれば指定の値段以下で、売りの指値注文であれば指定の値段以上で売買が成立することになります。
右の図をご覧ください。
今、市場に米ドルを「110円50銭で売りたい」という注文を出している人がいたとします。あなたはそこへ、「高くても110円00銭で買いたい」という指値注文を出しました。
その後、市場に110円30銭で売りたいという人が現れました。しかし、まだあなたの希望する値段で売ってもいいと言う人は現れていませんのでまだ注文は約定(成立)しません。
さらに後になって、市場に「110円00銭で売ってもいい」という人が現れました。あなたの注文はこのとき約定することになります。
値段の指定がなく、市場の値動きまかせの値段で約定するのが成行注文です。市場での優先順位が最も高く、より確実に売買を成立させることができます。
右の図をご覧ください。
今、市場に「110円50銭で売りたい」という売り注文と「110円30銭で売りたい」という2つの売り注文と、「110円00銭で買いたい」という買い注文が発注されていたとします。この場合、アスクが110円30銭、ビッドが110円00銭となります。
そこへあなたは、「とにかく買いたい」という成行注文を出しました。すると、この注文は現在の市場での最も安い売り出し価格である110円30銭で約定します。
受け付けた時点で注文が執行されるのではなく、売り注文の場合は、指定した値段以下での約定があるとその時に成行注文として執行され、買い注文の場合は指定した値段以上になったときに成行注文として執行されます。
相場がもっと上がると予想して、110円80銭で新規の買い注文を行い、約定しました。
しかし、買い注文を出した時の値段よりも値段が下がってしまい、値洗い(その時点での計算上の評価損益)で損失が発生してしまいました。

そこで、値動き1円50銭分ぐらいの損失は仕方ないが、それ以上損失が大きくなると困るのでその値段を目安に取引を終えることにし、「109円30銭以下になったら取引を終える」というストップ注文を出しました。
この109円30銭のストップ注文は市場で109円30銭の値段がついたら(109円30銭で取引されたら)その時点で成行注文として執行されます。

成行注文のため、この例では損失が1円50銭より大きくなる場合も小さくなる場合もあります。